地下アイドル関係の仕事に携わっていると、ファンの方から必ずといっていいほど聞かれるのが
「どうすれば地下アイドルとワンチャンありますか?」
という質問。
ワンチャンとは文字通り「滅多に訪れないチャンスをものにする」という意味のオタクスラング的なワードで、単刀直入に言えば特別な関係になること。
地下アイドルとデートする、恋愛に発展するなんて夢のまた夢でしかないことはオタク達も理解しています。
※ただし、シンガー系アイドルを除く。詳細は以下。
地下アイドルとデートする方法|出会う方法から距離を縮めるための作戦まで!
だからこそそういう表現になるわけですが、それでも「ひょっとすると何かの間違いで自分に好意を持ってくれるかもしれない」と淡い期待を胸に秘めつつ、推しの現場に通い詰め、チェキを撮り、配信動画にコメントを投稿し、Twitterで毎日リプを送るのです。
ですが、「アイドルとファン」の関係性である以上、アイドルにとってファンという存在は自分の生活を支える収入源であり、ATMであり、欲しい物をねだればいつでも買ってくれる親戚のオジサンに過ぎないのです。
ではどうすれば地下アイドルから「金ヅル」ではなく、一人の男性として認めてもらえるのでしょうか。
答えは簡単です。「アイドルとファンという関係じゃない関係」になればいいのです。
偶然を装ってナンパするなどのグレーな手段を除けば、ファンじゃない立場で地下アイドルに近付く手段は自然と限定されます。そうです。関係者になることです。
関係者にも色々と種類があるのですが、大別すると「アイドルに仕事を提供する側の人間」と「アイドルと同じ空間で働く人間」の2つに分かれます。もちそん誰でもその立場になれるわけではないですし、いざその立場になってからの、地下アイドルとの距離を縮めるための方法も難易度も異なります。
今回、そのなかでも地下アイドルと特に効率良く親密な関係を築きやすい、2パターンの方法を紹介していきたいと思います。
目次
地下アイドルと繋がりやすい職業
最初から関係者としてアイドルに近付くための方法を今から解説するわけですが、関係者と聞いてまず「ライブハウスのスタッフ」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
実際、ライブハウスの奥にある「STAFF ONLY」の部屋に入れるのは照明さんやPA(音響)さんだけですからね。
もちろん地下アイドルが最も頻繁に関わるのはライブハウスのスタッフなのですが、正直ライブハウスで働くことはオススメできません。
なぜなら単純にブラックだからです。給料も驚くほど安いですし、休みも年間に数日あるかどうかです。
なぜお金の話をあえて持ち出してきたかというと、ライブハウススタッフの経済的事情は当然地下アイドル側も知っているからです。
となると、恋人として付き合うには若干躊躇するわけです。
スタッフと交際してる出演者もいるにはいるのですが、地下アイドルではなくバンドや弾き語りの女の子であることがほとんどです。
音楽をちゃんとやってる子ほどスタッフの音楽知識や技術力の高さを理解しているので、そこに惚れることもあるでしょう。
ですが20歳前後の地下アイドルにとってスタッフはただの下っ端の雑用か、もしくは「マイクの扱い方のことで注意してくる怖いお兄さん」ぐらいにしか思ってません。
ここはやはり、「自分より下っ端」でも「怖い存在」でもなく、なるべく対等なポジションで地下アイドルにアプローチをかけていきたいわけです。
そこで私が自らの経験や周囲の話をもとにオススメしたいのが、
- イベンターになる!
- マネージャーになる!
この2つの方法です。
正直、この2つの立場で地下アイドルと関わった人は、繋がれる可能性が非常に高いです。というよりイベンターやマネージャーの歴代の彼女には地下アイドルの名前がズラーッと並びます。まあ、結果として、ただでさえ狭い業界の性がますます乱れていくのですが(汗)。
ただ、まずは自分自身がそのポジションにならないとスタートラインには立てないので、「どうすればイベンターやマネージャーになれるのか?」という、業界の入り口を見つける方法を中心として順番に語っていきたいと思います。
saki
イベンター
イベンターとは文字通りイベント主催者です。オーガナイザーと呼ぶこともあります。
地下アイドルのイベントを主催する手順は
- 箱(ライブハウス)を借りる
- 地下アイドルを集める
- 当日を迎える
以上です。
「えっ、それだけでいいの?」と思ったかもしれません。そうなんです。簡単なんです。
もちろん「極限まで安く箱を借りる方法」「当日に赤字を出さない方法」など、細かいノウハウは語りきれないほど存在するのですが、とりあえずライブを開催するだけであれば、上記の3ステップを踏むだけで立派なイベンターになれます。
必要なのはちょっとした手続きだけです。市役所で戸籍謄本をもらうより手続きは簡単かもしれません(笑)。
最低限数回は現場に通うこと
箱を用意して地下アイドルさえ集めれば地下アイドルライブはすぐ主催できると書きましたが、そうは言っても、地下アイドルの現場にすら全く顔を出したことのないような人がいきなり主催をするにはちょっとした壁があります。
事務所に所属していない地下アイドルにライブオファーをかけるにはTwitterのDMぐらいしか連絡手段が存在しないのですが、何の面識もない個人アカウントから突然連絡がきても、警戒されて返信すらしてくれない場合がほとんどです。
イベント団体や企業名のアカウントを別に作るという方法もありますが、それでも過去に取引のない団体・企業からの新規オファーは受け付けてないというポリシーの地下アイドルもいます
また、ライブハウスに関してですが、実を言うと、小規模のアンダーグラクンドな箱というのは人件費をギリギリまで削減しているため、公式サイトやSNSの更新を長期間放置していることがしばしばあります。
固定電話もライブ中は忙しくて出てくれませんし、ライブの時間帯以外はそもそも誰も待機してません。
個人的に仲のいいミュージシャンや、昔から取引のあるイベンター絡みのライブだけでスケジュールがそれなりに埋まるので、ホールレンタルの利用者を新規開拓することにそれほど熱心ではないのです。
ですので、「このライブハウスで地下アイドルライブを主催したい!」という目星がついている場合、まずはその箱がライブを開催している日に何度か観客として入場し、スタッフに顔を覚えてもらったタイミングで、終演後などに「ホールレンタルをしたい」という旨の相談をするのが、一見遠回りですが、トラブルなく箱を借りるには最もスムーズな方法だったりするのです。
小規模の箱であれば、スタッフから「あの人よく見かけるな」と思われるには4~5回も通えば十分です。
なおかつ、ライブを毎回しっかり観て、その日の出演者に挨拶でもしておけば確実に認知してもらえるので、後日TwitterのDMでライブオファーをかけた際に「よく来てるあの人からのお誘いだ」となるので、少なくとも既読無視されることはありません。オファー成功率も格段にアップするわけです。
焦らず、LINE交換から
無事にライブ当日を迎え、本番のステージも滞りなく終わったとして、よし、じゃあ打ち上げに地下アイドルを呼んでそのままお持ち帰り…と安易に考えてはいけません。
地下アイドルのイベンターとして業界デビューした瞬間から、「最近イベント主催をやり始めた人がいるらしい」という話はその界隈全体に広まります。とにかく狭い業界なので。
そのため、あまり強引な手口で地下アイドルを口説こうとすると、悪い噂が一気に拡散され、この業界から即追放されます。
ここは焦らず、まずは出演してくれた地下アイドルとLINEを交換することから始めましょう。ライブがある程度成功したならば、アイドル側もあなたに対してある程度の信頼は芽生えていますので、
「今日はありがとうございました。今後も定期的にライブのお誘いをさせていただこうと思うのですが、TwitterのDMだと長文が送りにくいので、LINEでやり取りしてもいいですか?」とかなんとか適当に言っておけば、LINEぐらいならあっさりと教えてくれます。
LINEさえ交換してしまえばあとはこっちのものです。プライベートの情報は一切明かさないという、芸能人としてのアイデンティティを支える砦が崩されたのですから、一般人の女性と同じ土俵におりてきたも同然です。
あとは自分のペースで距離を縮めていけば、デートに誘える日もそう遠くはないでしょう。
マネージャー
地下アイドルの現場に通って出演者と顔見知りになり、自分の主催イベントに誘うという方法を先ほど述べましたが、
ある程度の期間、継続的に現場に通い続けると、業界関係者になれるもうひとつのルートが発生します。
それが「マネージャー」になるというもの。
「えっ?地下アイドルのマネージャーって、所属事務所の社員が担当するものじゃないの?」と普通なら思うでしょうが、事務所に入っていない、フリーの地下アイドルがそこそこ売れてきて物販の対応も忙しくなり「人手が欲しい…」と考えるようになってくると、信頼できるファンに雑用やマネージメント業務を任せることがあるのです。
これは実際に、私の周りにいるフリーの地下アイドルの半分くらいはこのシステムを採用しています。
余談ですが、その次に多いのが「地元の暇な女友達をスタッフ扱いで入場させて物販や撮影を手伝ってもらう」パターンです(笑)。
今記事の主旨からは逸れますが、無料で地下アイドルライブを観たい女性の方がいらっしゃるのであれば、身近にフリーでアイドル活動をしている子がいないか確かめてみましょう。
ターゲットは「デビュー直後の子」
地下アイドルのマネージャーになるには当然、アイドルからの信頼を獲得する必要があるのですが、肝心なのは「誰に信頼されるか」です。
前もって言っておくと、たとえフリーであっても、既に売れてる地下アイドルのマネージャーになるのはかなりハードルが高いです。
仮にまだマネージャーがついていなかったところで、昔から応援してくれている大勢のファンに囲まれている状態ですので割って入るのは非常に困難です。アイドル本人も、今さら新規のファンに大切な用事を任せようとはしないでしょう。
狙い目となるのは、まだファンがついていない、もしくは業界からその存在をほとんど知られていない「デビュー直後の子」です。
これは私が実際に体験した話になりますが、ある日なんとなくTwitterをいじっていたら、「来月から活動をスタートする予定です!」とプロフィールに書いてある子を発見し、初ステージの場所と日程も告知していたので、DMで予約を入れてあげて観に行くことにしました。
デビューライブを観に来てくれてチケットまで自分の名前で予約してくれたということで、ライブ当日はもちろん感謝されましたし、ついでに次回の出演ライブも決まったところなのでぜひとも来てほしいと言われ、断る理由はないので予約しました。
そうやって何度かライブに通っているうちに、相談があると持ちかけられました。
話を聞いてみると、自分が出るライブの出来具合を後からチェックしたいので、ステージ中の動画を撮影してくれる人が必要かもしれない、と。
人気のある地下アイドルであれば、ファンが勝手に撮影して無償で動画をDVDに焼いてから後日プレゼントしてくれたりもするのですが、ファンがいないので誰にも頼めない。
ということで、「いつもお世話になっているし、次回スタッフ扱いでライブに無料入場できるようにしますから、撮影してください」と僕に依頼をしてきたのです。
その子の撮影さえしっかり遂行すれば、あとは普通に観客としてライブを楽しめるわけですから、こんないい条件はありません。二つ返事で引き受けました。
で、それ以降、数回撮影班としてスタッフ入場していたのですが、ちょうどそこらへんのタイミングでその子に初めてのファンがついてくれたので、物販で初めてチェキが売れた、という瞬間に立ち会うことになりました。
ところが、ファンが一人だけだとどうなるかというと、チェキのシャッターボタンを押してくれる人がいません。
売れてる地下アイドルは物販に行列ができるので、次に並んでいるファンにお願いしてシャッターボタンを押してもらうことが可能です
saki
ですが、後ろに人など並んでいない。近くに立っているのは私だけ。自動的に「チェキのシャッターボタン押し係」に任命されることになります。
ステージ中の撮影にも物販時のチェキ販売時にも人手が必要となってくると、あとはもうなし崩し的に、あれもこれもと頼み事を増やされ、いつの間にか正式なマネージャーとして、常にその地下アイドルと一緒に行動するようになるわけです。
あとはイベンターと同じ要領で、自分なりのアプローチ方法でじっくりと口説いていけば、地下アイドルを彼女にできる可能性も見えてきます。
まあ、それ以前に、イベンターとマネージャーでは一緒に過ごす時間があまりにも違い過ぎるので、こっちにその気がなくても地下アイドルのほうから恋愛対象として依存してくるケースもあるのですが。
他人のナンパ術が手に取るように分かる!
マネージャーはイベンターより一緒に過ごす時間が長いので恋愛成功率は高いですが、その分、背負う責任の重さはイベンターの比ではありません。
地下アイドルがファンとの間で性的なトラブルに巻き込まれた場合、真っ先に責任を追及されるのは間違いなく、一番そばにいるマネージャーです。
フリーの地下アイドル界隈では日常茶飯事なのですが、ファンからのセクハラを受けたなどの被害で警察沙汰になると、マネージャーは必ず署に同行しないといけません。
saki
25歳ぐらいの地下アイドルならまだしも、これが未成年とかになると、マネージャー自身が罪に問われたりすることはないにしろ業界追放は免れないでしょう。
「地下アイドルを守るべき立場なのに何やってんだ」と各方面から非難を浴びることになります。
ただ、「守るべき立場」ですので、その分、イベンターよりも便利な点がひとつあります。それは「地下アイドル本人のSNSアカウントを管理できる」ということです。これはかなり美味しい話ではないでしょうか?
要するに、TwitterのDM等でナンパしてきたり、明らかに怪しい仕事のオファーをかけてくる輩が後を絶たないので「変な虫がつかないように」そういうDMへの対応を代わりに行うのですが、それはつまり、彼女の気持ちが揺らいでしまいそうなイケメンファンから個人的なナンパDMが送られてきたとしても、玄関口でシャットアウトすることができるのです。
これは恋のライバルを蹴落とせるという意味では圧倒的なアドバンテージです。
また、そういう類のDMを大量にチェックすることになりますので、「他の人はどうやって地下アイドルをナンパしようとしているのか」というおおまかな傾向を掴むこともできます。
ナンパの手口のトレンドに詳しくなることは確実ですね(笑)。
まとめ
地下アイドルに関係者として近付く方法の代表的なものとして、
- イベンターになる
- マネジャーになる
の2つの方法を紹介してきました。
誤解を招かないように言っておきますと、地下アイドル全員が全員、「ファンはファンとしてしか見れないけど、関係者なら付き合える」と思っているわけではありません。
私とよく一緒に仕事をさせていただいている地下アイドルに今回のような話題を振ってみたところ、「イベンター・マネージャー・ライブハウススタッフ・ファンのなかでどれかと付き合うんだったら、ファンしか考えられない」との答えが返ってきました。
彼女にとって、イベンターやスタッフは単なる「職場の人間」であり、自分のことを一番理解してくれて支えになる存在というのはやはりファンであると確信しているようです。
ですので、たとえファンという立場であってもアイドルとの信頼関係を築くことは十分に可能です。
あくまでも、業界関係者という肩書きが加わることで地下アイドルに警戒心を抱かれにくくなるというのが今記事の核となる主張ですので、皆さんが一番やりやすい方法で、誠意をもって地下アイドルに接していただくことが良い結果を生むことになるのです。
やっぱり地下アイドルへのアプローチは勇気がいる、、、という方は、こういったライトなマッチングアプリから始めてみるのもおすすめです。
やっぱり地下アイドルへのアプローチは勇気がいる、、、という方は、こういったライトなマッチングアプリから始めてみるのもおすすめです。
saki