50代の転職は「難しい」「求人が少ない」「即戦力を求められる」——
そんな言葉ばかりが先行しがちです。
実際、年齢がひとつのフィルターとして働くことは確かにあります。
けれど、「もう選ばれない側」ではありません。
経験を必要としている企業は、確かに存在します。
今回お話を伺ったのは、長年製造業界で働き、役職定年をきっかけに転職を決意した58歳の佐々木さん。
彼は「過去の実績だけで評価が止まってしまった」現実に向き合い、
自分の“現在の価値”を言語化し直すことで、リクナビNEXTを通じて新しい環境へ踏み出しました。
スカウト、職務経歴書の見直し、グッドポイント診断の活用、そして面接での「過去ではなく、未来の再現性を語る」戦い方。
その一つひとつが、50代の転職に必要な具体策として浮かび上がってきます。
この記事では、佐々木さんの実体験をもとに、“50代がリクナビNEXTをどう使えば転職が現実になるのか”を、実際の会話とともに丁寧に解説します。
「もう遅い」ではなく、「ここから、もう一度仕事を選べる」という選択肢を知るために。
目次
インタビュー対象者

仮名:佐々木 透さん(58歳)
居住地:神奈川県・横浜市
家族構成:配偶者(56)、長女独立、次男大学4年
最終学歴:私立大・経済学部
現年収(転職後):720万円(前職 660万円)
転職回数:2回目(約18年ぶり)
内定先:製造業向けSaaS企業/カスタマーサクセス部 シニアアドバイザー(嘱託→1年後正社員登用前提)
働き方:週3在宅・週2出社、所定労働7.5h、残業月10h未満
職務経歴ダイジェスト

| 期間 | 会社/業界 | 主な役割・実績 |
|---|---|---|
| 1990–2006 | 大手電機メーカー | 法人営業。大型複合機のアカウント担当、年間売上5億円規模を継続 |
| 2006–2024 | 中堅IT商社 | 営業課長→部長。製造業向けPLM/ERPの提案と導入PM。部門20名を統括、離職率を15%→5%に改善 |
| 2024–2025 | 求職活動 | 役職定年と組織再編で裁量が縮小、「顧客価値に近い現場で働きたい」と転職決意 |
転職を考えた背景(課題と不安)
役職定年で管理業務の比重が増え、顧客に向き合う時間が激減
新規プロダクトに挑戦したい一方、「50代の求人はあるのか」という年齢不安
家計は教育費ピークを越えたが、年収は維持〜微増が必須
次の10年を見据えて、健康・働きやすさ・在宅可も重視
転職の目的・譲れない条件
顧客の成功に近い現場(CS/導入/アドバイザリー)
年収650万円以上/フレックス or 時短配慮/週2出社まで
50代でも学べる環境(生成AI/データ活用などの研修)
「年齢ではなく実績で評価」する文化
リクナビNEXTでの行動スタイル
検索軸:業界(製造向けSaaS/PLM/ERP)、職種(CS/導入PM/プリセールス)、キーワード(“リモート可”“シニア歓迎”“裁量”)
活用機能:
スカウト:匿名レジュメで経験30年の導入PM実績を明示
グッドポイント診断:強み(継続力/秩序性/親密性 ほか)を職務経歴書の冒頭に要約し、面接トークの軸に
レジュメ自動チェック:数値実績と役割分担の明確化を指摘→KPI・売上・離職率改善を追記
応募数:10社(書類通過6、一次4、最終2、内定1)
スキル・資格(抜粋)
B2Bエンタープライズ営業/PLM・ERP導入PM/部門マネジメント
業務プロセス整理(製造BOM/変更管理)、顧客オンボーディング設計
英語:読み書き可(海外ベンダーとのメール・MTG経験)
PMP相当の実務経験、生成AIツールの社内PoC推進(RFP作成支援に活用)
面接で評価された“強み”
「製造業の現場を翻訳できる人」:要件をプロダクト言語に落とす通訳力
再現性のあるチーム運営:20名規模の育成・定着施策(1on1、OJT標準化)
落ち着いた顧客折衝:障害・炎上案件での沈静化と関係再構築の実績
懸念として指摘:
最新SaaSの実運用経験の浅さ → 入社後3ヶ月のリスキリング計画で解消を提案
受諾オファーの内訳
年収:720万円(基本680+業績賞与目安40)
役割:CSシニアアドバイザー(大型製造アカウントのオンボーディングと継続率改善)
条件:週3在宅、フレックス(コア11–15時)、正社員登用前提の嘱託1年
学習支援:生成AI/データ分析の外部講座費用を会社負担
入社後1–3ヶ月の変化
主要3社のオンボーディング期間:平均27%短縮
チャーンリスク先の継続率:68%→82%(QBR設計と伴走で改善)
CSナレッジ:プレイブック15本を文書化し、若手の自走度向上
佐々木さんへのインタビュー

私(筆者):
50代に入ってから、評価に変化があったと伺いました。
どんな変化でしたか?
佐々木さん(58歳):
……一言で言うと、「昔の功績で話が終わるようになった」んです。
半期の評価面談に行くと、必ず言われるんです。
「10年前のあの大型案件は会社の誇りだよ」って。
もちろん嬉しい言葉なんですけどね。
でも、その会話で今の仕事の話が出てこない。
私:
今やっている取り組みが、評価に反映されない?
佐々木さん:
そうです。
例えば、若手育成とか、新規市場の開拓とか、未来に効く仕事って即成果が見えにくいでしょう?
だから会社としては「レガシー(過去実績)が安全」と判断するんです。
私:
“過去の再生産”を求められる感覚ですか?
佐々木さん:
ええ。
“もう君は変化じゃなくて安定を担当してくれ”
そう言われている気がしていました。
私:
その時、どんな気持ちがありましたか?
佐々木さん:
正直…怖かったですよ。
“ああ、自分はもう終わりに向かっているのか?”って。
会社は悪くないし、待遇も悪くない。
でも、「自分がまだ成長できるのか」という軸で考えると、
このままでは、心が枯れるな、と。
私:
「評価」ではなく「生き方」の話になってきましたね。
佐々木さん:
そうなんです。
給料より、役職より、「仕事に手応えを感じたい」という気持ちが強かった。
私:
そこから転職を考えるわけですが、最初の一歩は何でした?
佐々木さん:
自分の仕事を全部振り返りました。
日報、提案メモ、部下育成の記録、失注理由の振り返り…
それを整理して見えてきたのは、
私は“個人で売る人”ではなく、“売れる仕組みを作る人”だったという事実です。
私:
“点ではなく面の価値”ですね。
佐々木さん:
そう。
この視点が持てて、初めて「まだ戦える」と思えたんです。
私:
転職活動で手応えを感じた瞬間は?
佐々木さん:
あるSaaS企業の最終面接で、
現場マネージャーからこう言われたんです。
面接官:
「その成果、当社にどう“再現”できますか?」
そこで私は、
オンボーディング短縮 → チャーン抑止 → アップセル導線の3段階で
再現ステップをホワイトボードに書きました。
私:
その場で書いたんですか?
佐々木さん:
はい。
相手の目が変わりましたね。
そのとき思いました。
“自分はまだ使い途がある”と。
私:
実際に転職してみて、どうでしたか?
佐々木さん:
面白いことに、やれることは変わらないんですよ。
ただ、必要としてくれる人がいる場所に移っただけです。
数字で言うと——
オンボーディング期間 ▲18%
チャーン(解約率) ▲2.1pt 改善
若手の案件自走率 +22pt
私:
“未来に効く仕事”が、きちんと成果として返ってきた。
佐々木さん:
そうです。
あのとき会社を移したのは、正解でした。
私:
最後に、同じ50代へ伝えたいことは?
Aさん:
「過去が評価されない」のではなく、
「未来の価値が評価される場所にいない」だけです。
年齢は壁ではありません。
“再現性を言語化できるなら、50代は強い”。
それを知ってほしいですね。
まとめ
50代の転職は、若い頃の転職とはまったく別の景色が広がっています。
「ポテンシャル」ではなく、
“どう再現できるか” を説明できるかどうかが勝負になるからです。
今回のインタビューで印象的だったのは、
佐々木さんが「過去の実績」を誇ったのではなく、
「その実績を、別の会社でも再現できる理由」 を言語化したことでした。
リクナビNEXTは、そのための材料を整える場として機能します。
スカウトで「必要としている会社」を見つける
グッドポイント診断で「強み」を言語化する
職務経歴書で「再現性」を示す
面接で「未来」を語る
50代の転職は決して遅くありません。
むしろ、積み上げてきた経験を“どこで活かすか”を選び直せる時期でもあります。
過去に価値がないのではなく、
価値が伝わる場所にまだ出会っていないだけ。
働き方は、いつだって更新できます。
あなたが積み重ねてきた時間は、これからも役に立ちます。
そして、その一歩は「情報を取りに行くこと」から始まります。
あなたの経験が必要とされる場所は、必ずあります。
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