ライブ配信を始める前に、これってやってもいいんだろうか、規約違反になっていないだろうかと心配になることも多いと思います。
ここでは、各項目ごとに具体例を交えて解説していきます。
目次
「音」関連
ライブ配信をする上で、最も気になるが音関連かと思います。
特に著作権関連は複雑で利用していいのかわるいのか判断しづらいケースが非常に多いです。
わからないときは使わないことが、著作権違反でアカウント停止のリスクを避けれるため無難ですが、どうしても利用したいケースもでてくるかと思います。
具体的なケースごとに解説していきますので、自分の配信がNGかどうか確認してください。
どうしても不安な方は、JASRACの公式FAQにすべて記載されているので、ご自身で確認することをおすすめします。
>JASRACの公式FAQはこちら
著作権のあるJ-POPなどの音楽をバックミュージックとして利用
基本的な考え方として、「私的利用の範囲内」で利用することは認められていますが、他人にその音楽を聞かせる目的や、ライブ配信など私的利用の範囲を超えて利用することは著作権違反として認められていません。
これは、例えば、私が買ったCDをAさんに聞かせた場合、本来AさんはCDを買うはずだったものが、買わなくなりCDの売上が減ると考えられるためです。
著作権のあるJ-POPなどをコピーして演奏するライブ配信
販売されている音源を配信することはNGですが、自身で演奏したり歌う場合については、問題ありません。
著作権侵害とならないと判断される条件は、以下のとおり
- 演奏が営利目的でないこと
- 出演される方に報酬が発生しないこと
- 入場料がかからないこと
1について、個人で演奏される場合は営利性なしとみなされます。
2について、ライブ配信アプリ運営から依頼されて演奏しており、ライブ配信アプリ側から報酬が支払われるわけではないため報酬発生していないとみなされます。
3について、ライブ配信をみるために、リスナーは費用を支払っているわけではないため、問題ありません。
ライブ配信アプリでは、「投げ銭」や投げ銭に準じる「アイテム」などがあり、実質これが、2、3の報酬や入場料になるのではないかと不安に思う方もいるかもしれませんが、ここでの「報酬」は演奏することに対して10万円支払われるといった形態を指しています。
また、「投げ銭」をしなければその演奏が見れないわけではないため、「入場料」とみなしません。
著作権のあるJ-POPの音源に自身の演奏を重ねて配信
著作権のある音源を利用した配信のため利用することはできません。
J-POPを自身が演奏してライブ配信すること自体は全く問題ありませんが、その配信の中に著作物である音源が入ってしまっていることが問題です。
著作権のあるJ-POPを他人が演奏した音源に自身の演奏を重ねて配信
他人が非営利目的で演奏した音源は著作権が及ばないため、その音源に自分の演奏を重ねても問題ありません。
配信「内容」関連
ゲーム配信・ゲーム実況
注意
- ハード(Switch/PS4など)とタイトル(ポケモン/ストリートファイターなど)により方針が異なる
- ライブ配信アプリごとにルールが異なる
大前提として、ゲーム実況は著作権違反となりますが、各社ゲーム実況のニーズの高まりを受けて、公式に方針を示しています。
念の為、確認いただくのがベストですが、ざっくりとお伝えすると、基本的には任天堂とゲームアプリ関連の多くは実況配信を許可しており、プレイステーション関連はシャアボタンなどゲームが対応している機能を使った場合のみ許可しているという状況です。
一方で、恋愛ゲームなどのストーリー性の強いタイトルは、ガイドラインに準じる場合も一部NGとなっているケースがあるため注意が必要です。
ただし、ライブ配信アプリ側でゲーム実況を禁止しているケースもありますので、注意が必要です。
例えば、ポコチャなどはゲーム実況を禁止しているため、ゲーム自体はライブ配信を禁止されていないが、配信するアプリ側でNGとなっているケースがあります。
テレビ画面を写した配信
テレビは著作物のかたまりですので、ライブ配信で映像を映すこともNGであり、ライブ配信中にテレビの音が入り込むのもNGです。
テレビ画面が明確に写っていない場合や、一部画面が写っている場合も当然NGとなります。
特に、サッカーや野球などのスポーツや映画関連は多額の放映料を支払ってメディアが配信しているため、著作権違反には非常に厳しく、訴えられる可能性があるため、気をつけるようにしましょう。
未成年者の配信
注意
- ライブ配信アプリごとに制限があるため確認が必要
YouTubeで子供が配信しているようすが見られますが、YouTubeであれば、13歳未満の配信の場合は、保護者の同伴が必要などのルールが設けられています。
つまり、保護者同伴であれば未成年がライブ配信することは認められています。
一方で、例えば、ポコチャというライブ配信アプリは、未成年が映るこむことについては問題ありませんが、未成年が「メイン」となる配信は保護者同伴でも禁止されています。
>ポコチャのガイドラインはこちら
その他のライブ配信アプリも同様に、ライブ配信アプリごとに規約が異なるため確認が必要です。
暗闇配信・静止画配信・寝落ち配信
ほぼすべてのライブ配信アプリで映像でのパフォーマンスを行っていない配信は禁止されています。
何も映すものがないのであれば、ラジオ配信が利用可能なライブ配信アプリを使用するようにしましょう。
配信「場所」関連
車の運転中の配信
注意
- ハンズフリーで配信画面に注視しなければ法律上問題ない
- ライブ配信アプリごとに制限があるため確認が必要
車の中で携帯での通話が道路交通法上で禁止されているので、ライブ配信についても禁止されているのか心配になる方も多いかと思いますが、法律上は禁止されていません。
まず、禁止されている行為は「道路交通法 第七十一条 五の五」のとおり
自動車又は原動機付自転車(以下この号において「自動車等」という。)を運転する場合においては、当該自動車等が停止しているときを除き、携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。)を通話のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置に表示された画像を注視しないこと。
つまり、画面に注視することと、電話機を「持った状態」(ハンズフリーは問題ない)が違反になるため、例えば、車の外を写しながらハンズフリーかつ音声読み上げ機能でスマホなどの画面を見ずに配信すること自体は、「法律上は」違反になりません。
ただし、法律上禁止されていなくても、ライブ配信アプリ側で禁止されている可能性があります。
例えば、ポコチャであれば以下のとおり運転中の配信を禁止しています。
>ポコチャ:運転中の配信について
そのため、ライブ配信する場合は、ライブ配信アプリの規約を見て判断するようにしましょう。
歩きながらの配信
注意
- ライブ配信アプリごとに制限があるため確認が必要
明確に禁止していないアプリもありますが、許可なく一般人を映してしまう(肖像権の侵害)や意図せず著作権違反を犯してしまう(店内のBGMが入り込むなど)の可能性があるので、避けたほうが無難です。
例えば、SHOWROOMでは明確に禁止しています。
>SHOWROOMのガイドライン
お店の中での配信
注意
- 著作権・肖像権など侵害しないければOK
- お店の方にも事前に許諾を得ておこう
お店の中では、BGMがかかっており、多くの人が出入りします。
BGMで著作権のある音楽が流れていて、配信の中に音として入ってしまうとNGですし、許諾の得ていない一般の方が映像として入るのはNGです。
また事前にお店の人に配信することを伝えて許可を取るほうが無難です。
私も自宅以外でライブ配信をする際にお店を利用することはありますが、半数以上は断わられるため、こっそりライブ配信していると、トラブルになる可能性が非常に高いと思われます。
カラオケボックスでのカラオケ配信など
カラオケの音源は著作権により保護されているため、ライブ配信中に流すことはできません。
自分のカラオケ個室内で音楽を流さずに配信はルール上、問題ありませんが、隣の部屋の音が漏れたり、リスナーから勘違いで通報されたりとトラブルの原因になるため避けた方が無難です。
そのため、ポコチャなどのライブ配信アプリでは、ライブ配信アプリ内にカラオケ機能を搭載しているため、歌の配信などしたい場合は、カラオケ機能を利用するようにしましょう。
まとめ
代表的なルールと具体例を解説しました。
ここに書かれている内容は、法律やライブ配信アプリの規約に明記されていることですので、ちょっと疑問に思った際には、調べるということが重要です。