地下アイドルのギャラと月収|フリーと事務所所属の収入モデルケース

これは地下アイドルに限った話ではないのですが、いわゆる芸能人と呼ばれる職業の方々がどれほどの収入を得ているのか、我々一般人にとっては多くの部分が謎に包まれています。

特に地下アイドルの収入に関する実態が掴みにくいのは、その報酬の形態のほとんどが「チケットバック」「物販売上」などの流動的な利益に依るものであるからというのが最たる理由。

フリーであればよほど規模の大きいライブか、有名メディアへの出演を果たさない限り固定ギャラという概念は存在せず、事務所所属であっても一部の大手プロダクションを除いてはほぼ完全歩合給で活動しなければならない、厳しい業界なのです。

今回の記事では、フリーの地下アイドルと事務所所属の地下アイドル、それぞれのケース別に主な収入源の内訳、チケットバック及び物販の仕組み、更には活動に必要な経費の詳細まで、今まであまり外部に公表されることのなかった「地下アイドル活動における収支状況の実態」に迫ってみたいと思います。

地下アイドルを目指している人が参考にしていただけると同時に、地下アイドルの運営を新規に始めようとしている起業家の方々にも業界の内情を知るきっかけになれば幸いです。

主な収入源

ライブチケット

地下アイドルがライブに出演する際、固定ギャラが支払われることはほとんどありません。

「お客様を1人呼ぶたびにチケット代の何割かを報酬として受け取る」というシステムがこの業界ではデフォルトです。

これを「チケットバック」と言います。

この業界自体、まだまだ発展途上で不明瞭な部分も多く残されておりますので、チケットバックの漠然とした相場すら定まってはいないのが現状。

チケットバックは主催者側の完全な言い値であり、その主催者の立場、もしくはライブを開催する意図によって、同じチケット代でもバック率が全く異なってくるのです。

あえて一例を挙げるとするならば、2500円のチケットに対して800~1000円バックというのが比較的よく見受けられるパターンでしょうか。

地下アイドルのライブは大抵、入場時に1d(ワンドリンク)の注文が必須ですので、その箱(ライブハウス)のドリンク代が500円なら入場料と合わせて3000円。

チケットバックが1000円と考えれば、観客が支払う総額(3000円)に対して3割程度のチケットバックが発生。

このへんのラインが目安になってくると思われます。

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ただし、1人でもファンを呼べば必ずバックが発生するライブばかりではなく、集客X人以上からバックが発生するといったような、若干ハードルの高い条件が設定されているので要注意。

チェキ

チェキは物販において主力となる売上ツールです。

最近はチェキの代わりに写メ撮影権を販売するアイドルも増えてきましたが、デジタルデータでコピーによる画質の劣化がないため拡散されやすい写メと違い、物販で撮影したチェキはその時だけしか手に入らない価値のあるものですので、今後もチェキはアイドルの物販で現役として活躍し続けるでしょう。

また、メッセージとしてライブの日付や開催場所を書き足すことが多く、チェキを眺めることでそのアイドルの活動の歴史を追っていくことができますので、コレクターズアイテムとしても根強い人気を誇ります。

チェキのフィルムは大手家電量販店だと大体10枚パック800円前後で販売しています。つまりチェキ1枚あたりの原価は約80円。

女の子1人だけを撮影する「ピンチェキ」、ファンと2人で撮影する「ツーショットチェキ」、グループのメンバー全員と撮影する「囲みチェキ」などの種類がありますが、最もポピュラーなツーショットチェキの場合、フリーの地下アイドルだと1枚500円、事務所所属の子で1枚1000円というのが相場の値段。

以前はどこのアイドルでも、チェキを撮影したその場でメッセージを書く時間が設けられていたのですが、昨今では物価の上昇に伴い、「チェキ撮影」と「会話する権利」を別々に販売するパターンが増加。

チェキ券1000円とチェキにメッセージを書いてもらう券500円をセットで購入し、会話しながらチェキに落書きしてもらうというのが典型的な物販の楽しみ方となりつつあります。

物販の売上はフリーであれば全額自分の懐に入りますので、1枚500円として原価を差し引けば420円の儲け。

ただしチェキ本体の電池代であるとか、壊れた時の修理代など細かい部分での自己負担は当然発生します。

事務所所属の子に関しては、事務所とアイドルの取り分が6:4から7:3というのが主流になっているようですが、これも事務所によって配分システムは大きく異なっており、レッスン代や楽曲制作の時点で諸々の経費がかかっているからという理由でアイドル側には1円も渡されないケースももちろんあり得る話です。

物販

物販にはチェキ以外にも、プロマイド、タオル、Tシャツ等があります。忘れてはいけないのがCD。

楽曲の質を重視するタイプのアイドルになるほど物販でのCD売上比率が高くなります。

いずれのグッズも、フリーランスのアイドルは売上全額がそのまま収益となり、事務所所属の子はその事務所の方針に則って売上に応じた取り分をもらうか、もしくはメンバー内での序列を決める際の査定の参考となるわけです。

どちらかというと、メジャーに近いポジションにいるグループの方が「個人の人気は全体の人気」という捉え方をするため、物販売上によって個々のメンバー間に収入の差が出るといったような直接的な影響が少なくなるのが特徴。

イベントコンパニオン・店舗ゲスト系の仕事

20歳を過ぎ、学生から社会人の立場になってくると親に頼らない生活を視野に入れる必要が出てきますが、ライブのみの活動では同世代女性の平均的な収入など到底望めません。

そこで、主に成人済みの所属タレントが収入を増やせるように、企業系イベントのコンパニオンやMCなどの仕事を積極的に回してくれる事務所もあります。

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なお現在、コンパニオンという表現には性的なイメージが強いため「レセプタント」という新しい名称で呼ぶことが推奨されていますが、まだまだ定着していない呼び方ですので、この記事では「コンパニオン」の言葉を使わせていただきます。

モーターショー等のイベントコンパニオン

女の子にとって最も人気なのがモーターショー関係。

メディアでも取り上げられるので業界注目度も高く、報酬も安定していますし、撮影が自由なことから車よりもコンパニオン目的で来場するカメコが多いため、新規ファンを掴むきっかけにも。

デメリットとしては執拗なローアングル狙いの厄介なファンがいたりすることくらいでしょうか。

スタイルとビジュアルのレベルがある程度の基準に達していないと呼ばれない仕事ですので、参加すること自体が名誉でもあります。

タレントの卵が携わる仕事としては比較的花形の部類に入るでしょう。

モーターショー以外ですと、新作ゲームの発表会やパソコン・スマホの新製品プロモーションイベントなど。

新製品の機能紹介を任される場合もあり、MCスキルを磨くには絶好の機会といえます。

たばこやエナジードリンク配布のコンパニオン

道端で可愛い女性がたばこやエナジードリンク、制汗シートなどの試供品を配布している光景をよく目にしますが、芸能界に片足を突っ込んでいるか、業界入りのチャンスを虎視眈々と窺っている子の割合がかなり高い仕事です。

モーターショーのような室内でのプロモーション系イベントよりは多少「労働」の要素が強く、一般の求人サイトでも募集しているため、事務所から斡旋してもらうだけでなく自ら派遣会社にこっそり登録して小遣い稼ぎをしている子もいます。

配布系のアルバイトを続けていると、そのうちパーティー会場や宴会場などでお酒を運んだりする仕事にも誘われるようになりますが、そのレベルまで来ると酔っ払い客や口説いてくる客をうまくあしらう能力も要求されるため、それなりの人生経験がないと務まらないかもしれません。

ただ、仕事の案件は途切れることなく入ってきますので、稼げるうちに稼いでおきたい事情がある場合にはお勧めの仕事です。

パチンコ店のゲスト

ピークを過ぎたタレントでも知名度さえあればパチンコ店のゲストだけで食べていけると言われるほど、単価が高く、内容もさほどハードではないため、非常に旨味のある仕事です。

グラビア系の子や駆け出しのセクシー女優、事務所の中で少し年齢の高い中堅クラスのタレントに回ってくることの多い仕事というイメージが強く、確かに収入面では大きな上積みが見込めるのですが、メジャーアイドルを真剣に目指している子が携わる仕事としてはあまり相性がよくないかもしれません。

また、元々その業界で有名な女性パチンコライターであったり、最初からパチンコ業界と提携しているアイドルグループ、更にはパチンコとファン層が類似している麻雀の女流プロあたりと椅子の奪い合いが激化している状況ですので、この先も安定した仕事が供給されるかどうかは未知数の部分もあります。

コンカフェや飲食店へのゲスト出勤

筆者の住んでいる関西では、メイドさん及びコンカフェキャストをステップにして地下アイドルへと転身していく子が多いのが特徴です。

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コンカフェと地下アイドルの二刀流をずっと続けている子も大勢います

ですがこの場合はその逆。地下アイドルとして活動している子がコンカフェに1日ゲストとして出勤するパターンも最近では増えてきています。

売上に応じた歩合制の条件で勤務することが多く、コンパニオン系の仕事よりも収入の平均値は若干下がるのですが、なんといってもコンカフェと地下アイドルの客層はほぼ重複していますので、宣伝効果は抜群です。

コンカフェという性質上、ライブの物販時と違いカウンター越しにゆっくりお喋りできたりするため、そのアイドルのファンも大挙してコンカフェに詰めかけるので、お店側にとっても好都合。

Win-Winの関係というわけです。

珍しいケースとしては、オタク街のエリアにある、特にコンカフェでも何でもないカレー屋やラーメン屋にアイドルがゲスト出勤することもあります。

オタク街に店舗を構えているだけあって飲食店側も地下アイドル文化に対して理解があり、よく来店する地下アイドルと意気投合して1日ゲストの話が進む…というのが典型的な流れ。

その飲食店の普段の価格設定のままアイドルに会うことができるので、ファンにとってはコンカフェのゲスト出勤よりもコスパ的にお得です。

事務所所属のAさんの月収

事務所に所属している地下アイドルがどの程度収入を得ているのか、標準的なモデルケースを例にとって考察してみましょう。

ここでは仮にAさんとします。

収入

  • Aさんは事務所が手配したスタジオで歌とダンスのレッスンを週に2回ずつ実施
  • スタジオのレンタル料やボイストレーナーの人件費は全て事務所が負担
  • 今度新曲のリリースが決定、衣装も新調することに。この新曲を作るための楽曲制作費及び衣装代も事務所が負担
  • 月に6~8回の対バンライブに出演、平均動員数は15人前後
  • 物販では毎回20枚程度のチェキが売れている
  • 事務所はAさんを育成するために相当な資金を注ぎ込んでいますので、ライブハウス側から報酬としてもらうチケットバック及び物販売上は一旦事務所が育成費としてプールするという条件で双方が合意
  • さすがに完全に無報酬で活動させるのは都合が悪いということで、僅か4~5万程度の、固定給とも呼べないような金額を毎月事務所から受け取っている

…さて、このモデルケースを見てもらえれば分かるように、よほど大手の事務所でない限り、専業アイドルとして生活できるだけの月給をもえらえることはありません。

もちろん、親元で暮らしている学生なら差し支えないでしょう。

そもそも学業が優先ですし、趣味で活動していると割り切ってもいいのですから。

問題はアイドルのみの収入で暮らしていくことを希望する場合です。

中小規模の事務所に入ってしまった時点で、アイドルを専業にする道は閉ざされるのでしょうか?

実は、ここで事務所ならではの武器が登場します。それは「フリーではなく、事務所という組織だからこそ取ってこれる仕事」を所属の子に回し、そのギャラを生活費の足しにしてもらうという方法。

事務所所属のアイドルが、事務所からの斡旋によって出向する仕事には、前段でご紹介した次のようなものがあります。

・モーターショー等のイベントコンパニオン

・たばこやエナジードリンク配布のコンパニオン

・パチンコ店のゲスト

・コンカフェや飲食店へのゲスト出勤

いずれの仕事も、1回の勤務につき報酬が2~4万と非常に単価が高く、また、周囲の人間から性的な視線で見られるなど仕事内容が若干ハードなため、事務所側も気を遣って、このような種類の委託業務に関しては、ギャラの7~8割をそのままアイドル本人に渡すケースが多いようです。

たばこや自動車メーカーなどの企業相手と交渉する手順を踏まないといけないため、フリーで活動するアイドルが個人で営業するよりは身元のしっかりした事務所の方がこのような仕事を獲得しやすいのです。

結果、あくまでも本人の頑張り次第ではありますが、20万以上の月収を得られる場合も。

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ただし、18歳未満のアイドルには任せられないジャンルですので、大前提として成人しているアイドルがこなす仕事であるというのが一般的な見解です。

支出(家賃、生活費は除き、単純にアイドルをするための経費)

上述したように、事務所所属の場合はアイドル活動のための支出というのは基本的に発生しません。

あえて挙げるとすれば、予算のない事務所だとライブ会場までの交通費が支給されないことくらいでしょうか。

年収・月収例

ライブ活動での基本給 5万
外部業務(イベント派遣など) 8万

月収…13万

ローカルFM・地域ケーブルTVなどメディア出演時の特別報酬(不定期) 1本あたり2万、年間で6本
夏の野外フェス出演・年末年始の特別イベント出演などによる特別手当 10万

年収…13万×12ヶ月+12万+10万=178万

フリーのBさんの場合

事務所に所属せず、フリーとして活動している子(仮にBさん)の場合、収支の流れはどのようになっているでしょうか。

収入

フリーだとライブハウスやイベント主催者との金銭的なやり取りを全て自分でこなす必要があるため、少し複雑になってきます。

    • Bさんはソロとして月に8~10日程度、アイドルライブに出演し、平均動員数は6~7人
    • 週末の夕方など社会人でも行きやすい時間帯であれば2桁に乗ることもあり
    • 6人ライブに呼べたとして、チケットバックが1000円×6で6000円
    • 物販では彼女目当てに訪れたファンのほぼ全員が最低でもチェキを2枚以上撮影してくれるので、その他各種グッズの販売と合わせると売上合計は1万円弱ほど
1日でざっくり15000円の収入が見込めることになります。

これが月に10日あるとすればどうでしょう?

ギリギリ生活できるかどうかの瀬戸際かもしれません。

ですが、フリーの子には「ファンからの個人的な支援を、事務所の介入なく自由に享受できる」特権があって、これが強烈なアドバンテージになります。

ファンの質、そしてアイドル自身の活動ポリシーにもよりますが、例えば自宅最寄りの駅からライブハウスまでの送迎、生活に困った時の食べ物の差し入れなどは、ファンの中でもTO(トップヲタ)と呼ばれる、最も熱心にその子のことを応援している立場の人が手配してくれるという風習がこの業界では日常茶飯事。

更に、社会的地位が高く収入の安定した人がファンになってくれれば、衣装の発注から物販グッズの制作、プロの作曲家への楽曲制作依頼までありとあらゆる費用を面倒見てくれる可能性もあります。

そのような太っ腹がファンが1人いるかどうかで、フリーの子の活動状況は大きく左右されると言ってよいでしょう。

推しのアイドルに無条件で投資してくれるタイプのTOがいない子は、交通費も衣装も全て自腹というやや厳しい条件での活動を余儀なくされます。

また、過去にTOがいたけどその人が他のアイドルに目移りしてしまったため、支援を打ち切られ、結果的に活動不可能となり引退に追い込まれたケースも実際にあるので、1人、2人の太いファンの存在の有無がフリーの地下アイドルにとっては死活問題にもなるのです。

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例えるならば、芸術家におけるパトロンとの関係に近いものがあるかもしれません。

支出(家賃、生活費は除き、単純に地下アイドルをするための経費)

ちなみに活動に必要な諸経費を全て自己負担で賄う場合、支出の内訳は以下のようになります。

自主練費用

ヴォーカル及びダンスの自主練をするために借りるスタジオ代が1日約2000円。

週に2回通うとして4000円。

衣装費用

通販サイトで購入する衣装は1万円~3万円。

元々持っている私服と組み合わせて節約することも可能。

衣装制作経験のあるアイドルにお願いして作ってもらう場合もありますが、これに関しても生地代だけ渡すわけにはいかないので、その子への謝礼も含めれば既存品を購入するのとあまり金額的な差はなく、むやみやたらに依頼するものでもありません。

自分のイメージする理想の衣装がどこにも売ってない時に検討すべき手段でしょう。

楽曲制作費

楽曲制作費は3万円~10万円と、依頼する相手によってかなり差が出てきます。

自分で作曲ができればお金は一切かからないのでは?と思われがちですが、弾き語りと違い、アイドルは基本的に楽器を演奏しながら歌うわけではないので、一旦音源を編集してCDのトラックに落とし込む作業が必要です。

この「トラックを作る」プロセスが実は楽曲制作時間の大半を占めるので、メロディーを作ってもらうだけの費用よりも数倍の費用がかかります。

つまり、「メロディーは自分で考えたので編集だけしてください」とプロの作曲家にお願いしたところで、依頼料を割り引いてくれることはないのです。

物販制作費

チェキを除いた物販グッズの制作費ですが、これは工場に発注するロット数が増えるほど安くなります。

Tシャツなどはおそらく20枚単位くらいから注文しないと、受け付けてすらくれない可能性も。

最低ロット数20枚で1枚あたりの原価が1400~1800円。

在庫を抱えるリスクも考慮すれば、やはり2500円以上の価格設定にしないと元が取れません。

地下アイドルのグッズの中でも特にTシャツが高いのにはこのような事情もあります。

交通費

自宅からライブハウスまでの交通費が往復で1000円程度。

釣り銭準備

支出とは少し異なりますが、意外と大切なのが釣り銭。

物販スタッフなどもいませんので、釣り銭も全て自分で準備する必要があります。

序盤でいきなり1万円札を出してくる人のことも想定するならばやはり1000円札×30枚、500円×8枚程度の釣り銭は最低限でも確保しておきたいところです。

その他

さて、この支出の内訳を見てどのように感じたでしょうか?貢いでくれる太客がいない限り、莫大な費用がかかりそうに思えますが、楽曲や衣装などは毎月新しいものを作るわけではありませんので、実際には交通費やちょっとしたお茶代など、細かい部分での経費がメインの支出となってきます。

ですが、いつどのようなタイミングで新曲をリリースしたり新衣装をお披露目するか分かりませんので、まとまった額の貯金を常に残しておくことが重要。

釣り銭にしても同じです。

手持ちのお金がないようでは話になりません。

その日に稼いだお金をすぐに散財してしまうようなタイプの女の子はアイドルに向いていないかもしれません。

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アイドル活動で得た資金を手に毎晩夜の街に繰り出して豪遊している子もいるにはいるのですが、スタンダードな事例とは言い難いので、ここで語るのは控えておきます

年収・月収例

ライブ月8回×平均集客6人×チケットバック1000円=48000円
物販月8回×物販購入者5人×購入金額1500円=60000円

配信アプリでのファンからの課金(不定期放送) 3万

月収…13万8000円

不定期の自主開催撮影会 参加費3000円×集客4人×年6回=7万2000円
外部業務(イベント派遣など) 日当3万×年7回=21万
※個人で営業をかけるため、事務所所属の子より仕事はあまり回ってこない

年収…13万8000円×12ヶ月+7万2000円+21万=193万8000円

事務所とフリーはどちらがよいか

事務所所属の地下アイドルの一般的な報酬のシステム、そしてフリーの地下アイドルの収入と支出の内訳について紹介してきました。

結局のところ、フリーで活動するのと事務所に所属するのとどちらが成功する確率が高いのか?という問題に帰結するわけですが、これはやはりその子の資質によるとしか言えません。

自分自身を売り込むための営業・広報活動、ライブハウスとの交渉、スケジュール管理などを全て自分でこなしてなおかつ歌やダンスの練習時間も確保できるだけのバイタリティーの持ち主であれば、フリーでやった方が絶対にお得です。

事務所に入っても搾取されるだけですし、「自分でやった方が稼げる!」と思うに違いありません。

逆に引っ込み思案で交渉能力が全くないような子でも、守ってあげたくなるようなオーラを出していれば、下心を持った大人の男性達が周囲に集まってきて、面倒なことを代わりに全部やってくれる場合もあります。

ただ、いずれにせよ自分で行ったことの責任は基本的に自分が背負わないといけないので、そんなことに気を回したくない、とにかくステージで歌うことだけに集中したいというなら、事務所に入るしかないでしょう。

職人気質で不器用な芸術家タイプの子のほうが、実は組織に守ってもらうことでが自分の個性を生かしやすいのです。

あえて筆者の個人的なアドバイスを述べるなら、フリーランスとして活動するけど、一部の業務だけ事務所と提携してサポートしてもらうというやり方もお勧めしておきたいところ。

関西で活躍するフリーアイドルの中でもトップクラスの子になると、物販が混雑するため、行列の整理など男手が必要な仕事を芸能事務所に委託し、その日のライブの収益から報酬を渡すという方法で役割分担をしている例もあります。

MEMO
デビュー直後は業界になんの人脈のない状態だと思いますが、活動していくうちに細々とした作業を手伝ってくれる芸能関係者も増えてきますので、そういう人脈を効率良く活動すべきです。

まとめ

関西の地下アイドル文化黎明期から活動を開始し、2020年現在で芸歴12年目に突入した今でもなお業界の先頭に立って牽引し続ける「加藤しょこら」さんは、自身も地下アイドルとして活動する傍ら、2019年にセルフプロデュースのコンセプトカフェを開業し、オーナーに就任。

今でこそステージに立つ回数も減った彼女ですが、単独ライブをすれば毎回キャパ300人の箱が埋まるほどの人気を誇っています。

関東の某アイドルが執筆した著書によると地下アイドルの平均年収は150万ちょっとだそうですが、加藤しょこらさんはその数倍の年収を実現しているとの噂。

この事例から分かるのは、入れ替わりの激しい地下アイドル界において、辞めずに長く続けていれば自然と業界内でのポジションが確立されていくということ。

もちろん政治力や資金運用力など様々な能力が問われますが、たとえ地道であってもコツコツと活動を継続することによって協力者も集まり、コンカフェ経営など新しい世界に挑戦するチャンスがどんどん生まれ、周囲も手助けしてくれるようになるのです。

加藤しょこらさんと同じ時期にデビューした、業界のトップ集団を走り続ける古株の地下アイドル達もそれぞれ自分の魅力や得意分野を生かし、月収30~40万をコンスタントに稼いでいますので、とにかく夢を諦めることなく、自分の好きなことをやり続けていけば必ず明るい未来が待っているでしょう。