【決定版】地下アイドルとは|初心者入門編

NHKで今年の夏クール、土曜の深夜に放送されていたドラマ「だから私は推しました」。

地下アイドルとは何の接点もないような生活を送っていたOLの女性が、ふとしたきっかけである地下アイドルの落ちこぼれメンバーの応援に財産のほとんどを費やすほどのめり込み人生が激変していく過程を描いたセンセーショナルな内容で、業界内部からもかなりの反響がありました。

ドラマということで多少の脚色は施されているものの、実際、「地下アイドルにハマる女性」はここ数年で確実に急増しています。

一昔前まで男性のオタク的趣味だった分野に女性が積極的に参与するようになったのは読者の皆様も肌で感じていると思う(アニメやゲーム、更には「鉄道女子」「ガンプラ女子」なんかも)。

この流れは地下アイドルに関しても例外ではなく、本来は男性にとっての疑似恋愛の対象であった「アイドル」というカルチャーに触れることが、アニメや映画鑑賞と同じように一般層の新しい余暇の過ごし方として市民権を獲得しつつあります。

もちろん、男性にとっても、単なる疑似恋愛の対象として女性アイドルを応援する段階から、次世代にブレイクするアーティストを発掘するような感覚で自分自身の審美眼やセンスの鋭さを主張するためのファッション的な応援へとフェーズが移行しつつあるからです。

今記事では、地下アイドルをレジャー的なコンテンツとして捉え、いかに地下アイドルを楽しく応援するかを主眼に置いて各種情報を提供していきます。

地下アイドルの定義

「地下アイドル」は今でこそ一般層にも広く普及している言葉だが、その定義は未だに不明瞭で、実際に地下アイドルを応援している人間ですら、いや、地下アイドルをマネージメントしている事務所・運営の間でも意見が分かれるというのが現状です。

一般的には「売れてないアイドル=地下アイドル」という認知している人が多いかもしれませんが、それが最もシンプルな解釈です。

また、言葉そのままに「主に地下のライブハウスで歌う(踊る)アイドル」のことを指している、という見解もあるかもしれません。

ですが、これなどはどちらかといえば「物理的な定義」です。

逆に「売れてない=地下」というのは概念的な定義だと言えます。

元々メジャーシーンに登場せず一部の熱狂的なファンを相手に活動していたアーティストに「アングラ(アンダーグラウンド)」というワードが付随していたので、このアンダーグラウンドからの連想で「地下」なる冠詞が誕生したのだろうと私個人としては推測しています。

AKB48が誕生して間もない頃、某匿名掲示板の「地下アイドル板」で語られる内容は基本的にAKB48に関するトピックスでした。

つまり当時のイメージでは「AKB48=地下アイドル」だったわけです。

ただひとつだけ補足しておくならば、現在日本に数百、数千とアイドルグループが乱立している状況と比較して、その頃はAKB以外に「そこそこ知名度のある地下アイドル」がほとんど存在していなかったのも、AKBが地下アイドルの代名詞をほぼ一手に引き受けていた要因ではあるといえます。

そこから、ももクロやでんぱ組の台頭や息を吹き返したハロプロ勢の頑張りにより、群雄割拠のアイドル戦国時代と呼ばれるようになりましたが、アイドル全体の分母が増えるにつれ、雑誌のグラビアなどに抜擢されるようなブレイク寸前の地下アイドルと、観客数人レベルのライブにしか出ていない子を同じ「地下」のセグメントで語ることに無理が生じてきたため、現在は特に、事務所に属さずメディアとのパイプも全くない、ライブのみの活動に専念しているフリーのアイドルを「地底アイドル」と呼んでいます。

実はこのクラスのアイドル現場が最もアイドル本人との距離も近く、また物販価格も安くリーズナブルに楽しめて単純に得することが多かったりもするので、意外と侮れません。

地下アイドルの応援をおすすめする理由

NHKのドラマでは地下アイドルのライブに50~60人のオタクが集結して熱い声援を送るシーンがありました。

ですが、現実の世界では地下アイドルのライブが毎回そこまでの熱量で盛り上がることはありません。

好天に恵まれた週末のライブであったりメンバーの生誕イベントが重なっているともちろん満員札止めになることもありましたが、普段の平日ライブなどは観客が数人なんていうことも頻繁に起こり得ます。

アイドルは平日の忙しい時に足を運んでくれる数人の熱心なファンを相手にパフォーマンスを披露し、物販で稼ぎます。

観客が少ないので、ライブMC中でも普通にステージ上のアイドルと会話できるし、物販での一人あたりのコミュニケーション時間も異様に長く、一度でもライブに参加すればアイドルは確実に自分の存在を認知してくれます。

地下アイドルが「ファンとの距離が近い」と言われる所以です。

アイドルは数少ない固定ファンが離れないよう、いかにも付き合えるチャンスがあるような素振りで色目を使う、いわゆる「釣り行為」で勘違いさせてファンを囲い込もうとします。

だからこそ中には疑似恋愛をこじらせて本気で恋に堕ちてしまい、そのアイドルに彼氏が発覚した瞬間に絶望のあまり再起不能に陥ってしまう人間もいれば、際限なく推しのアイドルにお金を費やした挙げ句、経済的な破綻という末路を辿ってしまうなどのトラブルも絶えません。

ですが、そんなリスクを差し引いても、全国区でメディアに露出しているモンスターメジャー級のアイドルがCD1枚購入で僅か2秒足らずしか握手できないのと比べ、同じ金額を払っても可愛い女性と長時間親密なコミュニケーションを図ることができるというコストパフォーマンスの高さはやはり何物にも替えがたい魅力であり、「本気でアイドルと付き合いたい!」のような方向に迷走さえしなければ、アニメやゲームなど他の趣味よりも遥かに安価で余暇を楽しめるジャンルなのです。

特に、下心とは無縁の、「ゆめかわいい」ものに純粋に憧れてアイドルを追っかけているような女性ファンであれば、応援される側のアイドルもより警戒心を解いた状態で接してくるので、尚更「推しの魅力」にハマってしまうに違いありません。

地下アイドルのイベント・ライブに参加する方法

初心者に優しいライブハウス!大阪・日本橋Pollux Theater

「地下アイドルのライブに一度行ってみたいけど、どこで開催されているのか分からない」という話をよく聞きます。

ネットで検索してみても「何月何日にどこそこで地下アイドルがライブします!」という情報はびっくりするほど引っ掛かりません。

それもそのはず、本当に最下層に位置する売れてない地下アイドルはそもそも公式サイトを持たず、SNSで身近なアイドルオタクにイベント告知などを発信してライブに来てもらうパターンが慣習化されているからなのです。

要するに元々そのアイドル本人の存在を知っていないとSNSアカウントも発見できないし情報も入ってこないことになります。

ですが、なんのきっかけもなくアイドルと知り合う機会など滅多にない。このように閉じられた仕組みのコンテンツとなっているため、地下アイドルとして長期間活動すればするほど一般層に名前を広めるチャンスが減り、地下のポジションから抜け出せなくなってしまいます。

アイドルが個人で情報を発信していないのであれば、ライブを開催している箱(ライブハウス)の公式サイトでイベントスケジュールを確認するという方法もあります。

ですが、地下アイドルに対する事前知識が全くない人間にとってはここでも最初の壁にぶち当たるでしょう。

スケジュールに記載されている出演アーティストを目にしたとき、それがアイドルなのか弾き語りなのか、アイドルグループなのかバンド名なのかが判別できないという問題です。

基本、どの箱もアイドルライブのみを開催しているわけではないので、スケジュール表を見ただけでは何のジャンルのライブなのか、推測すらも困難です。

そこでオススメしたいのが、大阪・日本橋にあるライブハウス「Pollux Theater(ポルックスシアター)」です。

例のNHKドラマ「だから私は推しました」に登場するアイドルグループ、サニーサイドアップのライブシーンの撮影で使われた箱として一躍全国的に有名となりました。

ここは平日にインディーズのお笑いライブなどを開催することもたまにありますが、基本的にアイドルライブ専用の箱と言っても差し支えなく、土日はほぼ毎週アイドルライブがおこなわれ、関西でも比較的上位クラスの地下アイドルが5~10組程度出演するので、初心者が主要な現役地下アイドルの名前を覚えるのには最適です。

また、料金もドリンク込みで2500円前後となっており、フリーではなく事務所に所属している地下アイドルを中心にブッキングしているライブにしては非常にリーズナブルな値段設定にしてくれているのもいいところです。

前売券と当日券について

上述したPollux Theaterに関しては、前売券と当日券の区別はしていないことが多く、当日でも前売料金で入場できます。

ただ、ギャラバックの関係上、当日に何となくフラッと入る場合でも、誰を目当てに観に来たかは受付で聞かれるものと思っておいてほしいです。

また、個々のアイドルの判断によって異なるものの、チェキ無料サービスやプロマイドプレゼントなどの予約特典を受け取るには数日前までに本人に「予約します」という旨を告げる必要があります。

直筆の手紙や手作りのお菓子など、当日いきなり推しの子目当てに入場しても対応できない種類の特典もあるので注意したいところです

ここまで読んで気付いた方もいるだろうが、地下アイドルのライブには「チケット」という「モノ」が存在しないことも普通にありえます。

だいたいはアイドル本人がライブ当日の楽屋入りの時点で、自分を目当てに来てくれると事前に聞いているファンの名前を一覧にしてスタッフに提出し、入場時にスタッフがそのリストをチェックしながら、誰の予約で来たのかを照合する仕組みとなっています。

Pollux Theaterの週末イベントは前売と当日の料金が変わらないケースが多いと書きましたが、仮に前売と当日で料金が変わる場合、当日料金は前売料金にプラス500円というのが相場です。

これはPollux Theaterに限らずほとんど全ての地下アイドルライブがそうであると思って間違いありません。

よって、前売料金でのチケット購入が契約成立するのは原則としてアイドル本人が当日に楽屋入りする瞬間までとなりますが、ここで裏技があります。

普段からその地下アイドルと友好的な関係を築いて名前を認知してもらっておけば、当日の開演ギリギリまで迷った末にやっぱりライブを観に行くことにした、というような場合でも、受付で「◯◯と申します、△△ちゃんの予約で入る予定だったのですが伝えたかどうか覚えてないので予約リストに入ってないかも知れません。前売扱いになりますか?」と申し出れば、スタッフが楽屋で待機しているアイドルにホットラインで確認をとってくれて予約扱いになる可能性があります。

アイドル側も予約が1人でも多いに越したことはないので、ギリギリのイレギュラーな予約でも意外と受け付けてくれる。ライブの参加費が捻出できるかどうか当日になってみないと分からない人にとっては、態度を保留しておけるこのシステムは非常に便利だと思います。

DD予約

 

複数のアイドルが出演するライブに参加するとき、必ずしも応援している子が1人だけ出演するとは限りません。

地下アイドルの応援を長く続けていると、ステージで頑張っている女の子を見かけたら少しでも自分の力で支えてあげたいという気持ちになるので、次第に大勢のアイドルを応援するようになります。

そうなると、自分に応援されていると思い込んでいるアイドルが同じライブに2人以上出演する事態が起こった場合、「誰予約で入場するか」は相当深刻な問題に発展します。

予約の人数がそのままアイドルのギャラに影響するので、もし楽屋で「あの人は私のファンの筈なのに◯◯ちゃん予約で入場した」なんて話にでもなればアイドル同士の揉め事にも繋がりかねません。

そこで救世主的なシステムとして普及してきたのが「DD予約」制度です。DDとは「(D)誰でも(D)大好き」の略語である。

同じライブに推しのアイドルが2組以上出演している。どちらかで予約するともう片方に恨まれる。1人で2名分の予約をすれば両方の子にいい顔ができるのは確かだが、金銭的にそんな余裕はない。そんな悩めるオタクが増えてきたため、ライブ主催者側の粋な計らいで、入場料にプラス1000円程度を追加することにより、本指名の子とは別に第二指名の子にもその1000円がギャラとして発生するようにした、これがDD予約制度の成り立ちです。

このシステムであれば、誰を本指名にしたかはアイドル本人達に伝わってしまうものの、DD指名のアイドルにもギャラが支払われるし、無限に指名を増やせるので、その日出演しているアイドル全員に感謝されることも可能です。

DD予約という慣習はインディーズバンドや弾き語り、若手芸人などのライブにはなく、あくまでも地下アイドル業界独自で編み出された、ファンの負担を減らす救済措置であり、また、全ての地下アイドルライブにDD予約システムが採用されているわけではありません。

個人的な体感としては東海より西側でのライブでよく見かける印象です。商魂逞しい関西人ならではの合理的な利益向上戦略といったところであろうか。

まとめ

地下アイドルを快適かつカジュアルに応援する方法、経済的なライブの楽しみ方などを紹介してきましたが、この記事では「地下アイドルとあわよくばデートできる方法」などには一切触れませんでした。

もちろんそういう目的で地下アイドルを応援している熱心なファンが彼女達の生活を支えていることを否定するものではないし、いわゆる「アイドルと繋がる」方法は実際いくらでもあります。

地下アイドルとデートする方法|出会う方法から距離を縮めるための作戦まで!

ですが、今後、地下アイドルがエンタメの分野においてアニメやゲームと同じくらいの市場規模を有するコンテンツにグロースしていくためには、アイドルのパフォーマンス内容を正当に評価し、「ショー」を観るような感覚で、娯楽としての価値を高めていくことが必要不可欠であり、今からアイドルを応援しようと思っている皆様も、業界全体の成長過程を見届けるつもりで、日々切磋琢磨しあうアイドル達の頑張りをステージの下から支えていってあげてほしいと願っています。

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